「次理科じゃーん!移動移動!!」
「なーんでそんなご機嫌なのさぁ?」
「ふふふー」
さっきの時間の奥村先生の顔が頭から離れない。
意地悪そうな笑顔。
筑紫君に注意されたとき一瞬だけ見せた悲しそうな顔。
全てが瞳に焼き付いている。
ここまで奥村先生の事を想っているのは私だけだろうな。
それが嬉しい。
「眞深。結局好きな人って誰なのよぅ!」
「えっ!?・・・っとね・・・お・・・おくむ」
キンコーン カンコーン
「あっ!ヤバッ!りっ理科室で言うわ!」
「分かった!ってか急げーーー!」
りーちゃんと私は全力疾走で一階にある理科室まで行った。
「はぁはぁ・・・スイマセン。榎本眞深です。遅れました」
「岸谷理穂です。遅れました。」
「ったく。まぁいい。 早く席に着きなさい。」
「はーぃ。」
私とりーちゃんの席は離れているから実験が騒がしいとき
しか放せるチャンスは無い。実験の時間を待つ。
「じゃ、今説明した実験を各班でやってみよう。」
ガヤガヤ
今だ!
「りーちゃんっ!こっ・・・」
「榎本さん・・・ちょっといい?話があるんだけど。」
急に話しかけられた。
その時、私は嫌な予感がした・・・。
*