大好きな歌とピアノを職業に
裕福ではないけれど
自分らしく
やっと自分が根をはれる場所を見つけた
club:espressiboに出会って、初めてそう思えた。
そう……思ったのに……
なんであなたが目の前にいるの??
あの頃と何一つ変わらない
表情としぐさで
柔らかい笑みと眼差しを残して
私を見つめないで……。
レオのために歌っていたwhispernotの歌詞が重く苦しく、私の胸に突き刺さる。
あの日の後悔と恋心を思い出して、苦しくてたまらない。
ねぇ……、なんで?
なんでここに譲さんがいるの??
私……
やっと出会えたのに。
あなた以上に愛せるかもしれない、小さな宝物をやっとの想いで見つけたのに……。
そんな想いを抱えながら、レオの座るバーカウンターを見ると、レオは泣きそうな顔をしながらマスターに肩を抱かれて控え室へ入る所だった。