悪魔の囁きに耳を貸し
悪魔の誘いの手を取ってしまった、譲さん。
譲さんはsexの間中、
私の顔を見るたびに、苦痛そうな表情をしていた。
きっと養女に手をかけた自分を悔いていたんだと思う。
それでも“痛くないかい?”と私の体をいたわってくれる辺りはやっぱり譲さんらしくて
『譲さん。』
『……なに?』
『このHは私が持ちかけたのよ。
譲さんは何も悪くないんだから、そんな顔しないで?』
彼と一つになりながら、
彼の左頬にゆっくりと手を当てると
『それは違うよ、アンナ。』
譲さんは私の言葉を遮った。
呆気にとられながら、彼の瞳を見つめていると
『君が悪いんじゃない。
君だけが悪いんじゃない。
……僕たちは共犯なんだ、そうだろう?』
そう言って
譲さんは私の頬に優しくキスする。
『僕のアンナ。
かわいくて愛しい君を手にかけたこと、きっと僕は一生自分を許せないだろうけど……。
君が望むなら、僕は卑劣な養父になってみせるよ。』
そう笑って腰のグラインドを深めた譲さんは、春の日溜まりのように優しい目をしていて私は罪悪感で胸がいっぱいになった。
譲さんのくれる快感の中、私は初めて自分の罪を後悔した。