あたたかで
涼やかな木陰のように
私を守り愛してくれた、譲さん
いつも温かな笑顔で私を見つめていた目が、
困惑と苦悩の色に変わっていく。
――ごめん、譲さん……
私の気持ちを伝えることが
抱いて欲しいという要求を伝えることが
彼をひどく困らせることになるってコトは、
簡単に予想のつくことだった。
それでも…
私は彼が欲しかったんだ。
きっと譲さんは私をキスしても、SEXしても、私をオンナとして愛してくれることはきっとない。
だって私は彼にとって“かわいいムスメ”以外になり得ないから。
報われない恋心
未来のない想い
でも…
それでも私のハジメテは譲さんにあげたかった。
いつか近い未来に
見知らぬ“誰か”に奪われてしまうくらいなら、私のハジメテは譲さんに捧げたかった。