当然のことながら、譲さんは『そんなことは絶対にできない』と言った。
『僕は君の父親であって、恋人ではない。
そういうことは君の彼氏に頼むこと。僕は君の父親だから、その要求に答えることはできない。』
毅然とした態度で
譲さんは私をキッパリと拒絶する。
きっと……
この人はそう言うと思ってた。
優しくてあたたかくて
だけど真面目で誠実なこの人は
育てあげた養女に手をかけるような
光源氏みたいな非道なこと
決してするはずがない。
下心も野心も何もなく
大きな愛で私を包んで
愛してくれた、大好きな譲さん。
そんな彼が欲しくて
欲しくて欲しくてたまらなくて
どうしても彼を手に入れたかった私は、
『抱いてくれないなら、他の男に頼む。』
『……え?』
『テレクラに電話するか、出逢い系サイトに登録して、処女を捨ててやる。』
こんな悪魔な一言を言い放った。