「あ…、…う…、…っ…」
まるで魔女に声を取られた人魚姫のように
何も言えなくなってしまった私。
そんな私の肩をグッと掴むと
「星野さん。聞かせて?
君が好きなのは友達としての俺?それとも男としての俺…??」
まばたき一つせず。
まっすぐに私の目を見つめる成宮くん。
ドキン、ドキン。
どうしよう…!!
ドキドキしすぎて息がつまりそうだ。
成宮くんに掴まれた肩が熱く熱く、熱を持つ。高熱が出たんじゃないかと思うくらいに顔も体も全てが熱い。
どうしよう…
きっと今、私の顔はトマトみたいに赤くなってる。
恥ずかしい。
こんな情けない自分を
大好きな人に、こんな至近距離から見られるなんて。
どうしよう…
どうしよう…!!!!!
半分パニック状態になった私は、緊張と情けなさで、まぶたの奥にジワッと熱いものが溢れてきてしまった。