「威瑠依? 依頼は初めてよね?」
(威瑠依か……久しぶりだな……。
小さい頃に父様に連れて行ってもらったけど、
威瑠依には専門部隊がいたんじゃなかったっけ?
前に父様に紹介されたんだよね)
「そうよ。威瑠依にも妖魔退治する専門部隊があるから、いつもは依頼がこないんだけど……」
「けど? どうしたの?」
専門部隊がいるのに何で依頼が来たのか不思議そうにしている陽紗に凛風は少し顔を曇らせた。
「それがね、最近、威瑠依付近で、妖魔による被害が多発しているらしいの」
「えっ」
「榎瑠亜に来た商人からの情報なんだけどね……妖魔が多すぎる所為で人が不足しているらしいのよ」
「人がいなくなるほど!? 威瑠依の妖魔退治部隊って、10人はいたよね?」
陽紗は今までにない事態に驚きを隠せないでいた。