翌日、いつもと同じように陽紗は執務室に行った。

 そこまでは、昨日と同じであったが、今日は違ったところがあった。

 妖魔退治の依頼が来ていたのだ。


「今日は退治の依頼が来てるわ。陽紗、お願いできる?」

「了解! 場所は?」

「榎国と緋国の国境近くにある威瑠依(いるえ)というところよ」


 威瑠依は、陽紗達が住んでいる榎瑠亜(かるあ)から少し離れた場所にあり、

 馬を走らせても2日程度はかかるところにあった。

 緋国との国境近くということもあり、威瑠依には緋国からのいろいろな物資が集まってくる。

 榎国にとっては、重要な都市であり、榎瑠亜に次いで大きな都市でもあった。