「何かしら? おいで」


 使い魔は凛風に用件を伝える。

 その間、陽紗は残っていた仕事を片付ける。




「わかったわ、必ず出席すると伝えてくれる?」

「わかりました。では、失礼します」


 凛風の返事を聞き、使い魔は羅国へ帰っていった。

 仕事を終えた陽紗が凛風に聞いた。


「何の用だったの?」

「二日後に羅国で新皇帝即位の儀式があるらしいわ」

「そうなの? じゃあ、二日後は凛風いなくなるのね。母様達に伝えてくるわね」


 桜鈴は、側近の中でも一番上の立場におり、凛風のスケジュールを管理していたのである。


「よろしくね」

「行ってきます」


 執務室を出て隣の側近室へと入っていく。