しばらく整理をしていたのだが、整理すべきものの量がなかなかに多かった。
その為、時間が意外とかかり、午前中は整理だけで終わったのであった。
陽紗は午後になり、凛風の用事をし終えて執務室に戻ろうとしたところを女官に声をかけられた。
「陽紗様、少しよろしいでしょうか?」
「なにかしら?」
「羅国から使い魔が来たのですが、今、手が離せなくて……。頼んでもよろしいですか?」
ここ、榎国では、羅国や緋国からの連絡は、凛風が直接使い魔に会って聞くことになっているのだ。
「いいわよ。おいで」
陽紗は使い魔を呼んだ。
すると、使い魔は陽紗の肩に止まった。
使い魔を肩に乗せたまま執務室へ戻る。
「凛風、羅国から使い魔が来てたよ」
仕事をしていた凛風は顔を上げた。