一方、桜鈴とわかれた後、陽紗は猫に餌をやり、再度、麗孝と話をした。

 そして、宮廷に行き、執務室へ入ると机の上にある書類を凛風が一通り点検していた。


「おはよう。凛風。今日は早いんだね」

「あら、おはよう。今日は、仕事がたくさんあるからね」


(ん~、いつもそうだけど、凛風とか母様達、忙しいよね)


「今日は妖魔退治の依頼がきてないわよ」


 めずらしく依頼がないのねと思いつつ、陽紗は、凛風の次の言葉を待っていた。


「だから、陽紗は休んでていいわよ」

「ううん。手伝うわ。何かある?」


 陽紗は凛風が忙しいことは分かりきっていたので、手伝いを申し出る。


「そう? では、これの整理頼もうかしら……」


 ここで無理やり陽紗に休みを取ってもらってもよかったが、今は忙しい時期であった為、凛風は、陽紗の言葉に甘えることにした。


「日付の順に並べてくれる? 一番上に一番古い日付が来るようにしてね」

「了解!」


 陽紗は、にこりと笑顔で了承し、頼まれた整理に取り掛かった。