「はい、久しぶりに、陽紗様が小さい頃、良くお食べになられていた粥を作ってみました」

「ありがとう」

「いいえ。では、失礼します」

 陽紗と話をしているうちに、全て並び終えた執事は、その場を離れた。


「では、頂こうか」

「はい、頂きます」

「頂きます!」


 麗孝に続き、桜鈴、陽紗はご飯を食べ始めた。




「ご馳走様でした。白紗(ハクサ)にご飯をあげて、宮廷に行くから、母様は、先に行ってて良いよ?」


 朝食を食べ終えた陽紗は、桜鈴に先に宮廷へ行くように促した。

 白紗とは、陽紗が飼っている猫で、いつもは、一緒に朝食をとるのだが、今日は白紗を連れてこなかったため、ご飯をあげなくてはいけなかったのである。


「わかったわ。気をつけてくるのよ?」

「わかってます。麗孝伯父様、母様、お先に失礼しま~す」

「ああ。俺はしばらくここにいるから出かける前にまたおいで」

「了解です。では、母様、いってらっしゃい」


 そういうと、陽紗は、自室へと向った。