「さて、時間みたいだね。朝食をとって仕事に行こうか? 陽紗」


 麗孝は陽紗に言い、食事を済ませるため共に歩き出した。

 麗孝と陽紗が食卓へ着くと、陽紗の母であり、麗孝の妹である藍 桜鈴(ラン オウリン)が既に席に座っていた。


「麗孝兄様、おはようございます。陽紗もおはよう。一緒だったのね」

「桜鈴、おはよう。庭に行ったら、陽紗が居たのだよ」

「母様! おはようございます。今日は、早く目が覚めてしまったの」


 桜鈴と挨拶をしつつ、麗孝と陽紗はそれぞれ席に着いた。


「あら、陽紗にしては、珍しいわね。お寝坊という訳ではないけど、起きる時間が決まってるじゃない?」

「そうなの」


 そこへ朝食が運ばれてきた為、会話は一旦中断する。


「わ~っ、今日は、卵粥なんだ! 大好き」


 今朝のメニューは、陽紗の大好きな卵粥であった。