「陽紗、おはよう」

「麗孝伯父様! おはようございます。起きるのが、早いね」

「そうかな? そういうお前も早起きなんだな?」

「うん、何故か目が覚めてしまって……」


 陽紗はそこで一旦止まり、また話し出した。


「それとね、何かいいことがありそうな気がするの」


 陽紗はとても嬉しそうにそう言った。


「いいこと? 何だ?」

「わからない……けれど、とても嬉しいことのような気がするの。私にとっても母さんにとっても……」


 麗孝が何か聞こうとした時、そこへ執事が呼びに来た。


「陽紗様、お時間でございます」

「わかったわ。ありがとう」


 そして、執事は麗孝のほうを向き言った。

「おはようございます、麗孝様。ここにいらしたんですね。時間になりましたので、陽紗様といらしてください。では」


 用件を済ますと執事は戻っていった。