反応が遅れたマカは、そのまま吹っ飛ばされ、壁に激突した。

「うっ…」

額が切られ、血が顔を染めていく。

剣の方にばかり気を入れていたせいで、防御の為に体に気を送るのを遅れてしまった。

そのせいでもろ体に衝撃が来る。

「いっつぅ…」

血が顔から首へと流れる。

傷を押さえながら、マカは何とか立ち上がる。

「戦闘に鈍くはなりたくないものだな…。平和ボケし過ぎたか」

何とか意識は保っているものの、体はすでに倒れる寸前だ。

『人形』はマカの血が付いた腕を、じっと見ていた。

しかしいきなり口が割れ、中から赤く長い舌が出てきた。

「げっ…」

顔をしかめるマカの目の前で、『人形』はベロリと血を舐めた。