「こんな感じなんだ……」
いくつもの部屋の写真とボタンが並ぶ台の前で、翔は言った。
「初めてなの?」
「彩は来た事、あんのかよ」
「まぁ……」
写真を見ながら、呟くように答えた。
そして、一番"普通"な部屋を選びボタンを押そうとした時、ハッとしてボタンから手を離した。
「部屋ってどうやって分けるの?」
「俺と葉月、彩と翔に決まってんだろ」
思わず溜め息が漏れた。
「男女で別れるとか、翔と私は別々の部屋にするとかいう選択肢はないの?」
「ない」
和希は顔を近付け、強く言った。
そして私は諦めて押しかけたボタンを押した。
部屋へ入ると翔は、辺りを見渡し、バスルームへ入って行った。
私は自分の置かれている状況に冷静にはいられず、冷蔵庫から缶チューハイを取り出し、ベランダへ出た。
翔はバスルームから出てくると、ベランダへとやってきて私の手にある缶を見て呆れたように言った。
「何やってんの?」
「飲まなきゃやってらんない」
そう言い返すと、翔は笑みを浮かべて夜空を見上げた。
その横顔はどこか寂しげで、なんと声を掛ければいいのかわからなかった。
「風邪引くぞ」
翔はすぐにいつもの顔に戻り、部屋へ入っていった。
私も後を追うように部屋へ入ると、翔は再びバスルームへと向った。
いくつもの部屋の写真とボタンが並ぶ台の前で、翔は言った。
「初めてなの?」
「彩は来た事、あんのかよ」
「まぁ……」
写真を見ながら、呟くように答えた。
そして、一番"普通"な部屋を選びボタンを押そうとした時、ハッとしてボタンから手を離した。
「部屋ってどうやって分けるの?」
「俺と葉月、彩と翔に決まってんだろ」
思わず溜め息が漏れた。
「男女で別れるとか、翔と私は別々の部屋にするとかいう選択肢はないの?」
「ない」
和希は顔を近付け、強く言った。
そして私は諦めて押しかけたボタンを押した。
部屋へ入ると翔は、辺りを見渡し、バスルームへ入って行った。
私は自分の置かれている状況に冷静にはいられず、冷蔵庫から缶チューハイを取り出し、ベランダへ出た。
翔はバスルームから出てくると、ベランダへとやってきて私の手にある缶を見て呆れたように言った。
「何やってんの?」
「飲まなきゃやってらんない」
そう言い返すと、翔は笑みを浮かべて夜空を見上げた。
その横顔はどこか寂しげで、なんと声を掛ければいいのかわからなかった。
「風邪引くぞ」
翔はすぐにいつもの顔に戻り、部屋へ入っていった。
私も後を追うように部屋へ入ると、翔は再びバスルームへと向った。