妃麻璃は、すでに
危ない状態だった。

呼吸は乱れて、
胸は陥没していた。



ああ。最後なのか?
と、俺は意外なくらい
冷静だった。



しかし、そんな中でも
妃麻璃はかすかに俺の
名前を呼んだのだ。



'しょっぅごっ'


俺にはとても とても
はっきり聞こえた。



すぐさまベッドの近くに行き、妃麻璃に近づくと、



「しょ-ご。だ、いすき、だ、ょ。さよ、う、なら、」

と言って、息を引き取った。