私はドアを押した。




キィ━━━━━



少し古びた重々しい音。



と同時に、

後ろから声がした。








「多野和輝っ」








たった一言。




たった5文字、

いきなり発せられたそれは、




私が聞きそびれた、



でも1番知りたかった、





彼の





大切な



大切な━━━




名前━━━━━━…