ベッドに横になり、もう10分経つだろうか。


授業はあと15分で終わる。


「ていうか…保健室は開いてるのに先生はどこ行ったんだよ!!!」



改めて、

誰もいないのに1人で叫んでいる。



だから普通に独り言。



ちょっとだけ寂しい…。



原因不明の腹痛もすっかり治り、あとは授業が終わるのを待つだけだ。





「…さっきの不良、クラスどこだろう…」



―――ハッ



私、無意識のうちにまたあの人のこと思ってた??!


…想ってた?笑



頭の片隅に依存している、あのときのあの人の記憶を

何度も引っ張り出している自分に少し驚いたりする。





私にとってはそれくらい印象的だったんだ。




「…もしまた会ったら、名前くらいは聞こう…!!

どうせあの大人びた雰囲気(と、派手さ)なんだから、先輩だろうし。不良でも怒らせなければ滅多に会うことなんてないんだからっ」




すでに怒らせるようなこと(腹蹴。)をしていたなんて、すっかり忘れていた。




再び独り言を言い終えたとき、

「ガラッ」


誰かが入ってきた。