私は、その人が近づいてくるのにも気付かず、目の前に現れたムカデが近づいてくる事の方が気になった。



「ぎゃ━━━━ッッくる━━━━━っ!!」




再び叫び始めた私。

シリモチをついてぃたせいで、逃げるものも逃げられない絶体絶命の状況…。




その時






ガッ





目の前のムカデが一瞬にして消えた…と同時に、人の足があった。



顔を上げると、さっきまで手摺にもたれ外の世界を眺めていた“人影”が、床に座り込んでいる私を見下ろしていた。