『やだやだやだっ!!やめておにいちゃん!たすけてっ!!』 お兄ちゃんの大きな手が、容赦なく私の服をはぎ取る。 露わになった裸体を見て笑うお兄ちゃんの表情が、目に焼き付いて離れなかった。 こわい、こわい、こわい。 いたい、いたい、いたい。 叫んでも届かない。 誰も助けに来ない。 真っ暗な中、私は確かに 『普通』を手放していった―――。