暗い、暗い、湿った部屋。 真っ暗でほとんど何も見えない闇。 そんな部屋に、私は突然入れられた。 『こわい』と泣くと、お兄ちゃんは嬉しそうな声で言った。 『春ちゃんが怖がって泣くほど、オレは楽しくて仕方ないんだ』 知らないうちに忍び寄って来ていた絶望が、一瞬のうちにして私を呑みこんだ。 冷たい床に押し倒され、口を塞がれる。 そして、お兄ちゃんは甘く残酷な声で囁いた。 『春ちゃん、お医者さんごっこしようか……』