ある日、私は秋と喧嘩をして家を飛び出した。





大嫌いが二人もいるところになんかいたくない。





『春ちゃん。一人でどこ行くの?』





そんな時だった。





狙ったかのようなタイミングで『お兄ちゃん』が家から出てきた。





そう……まるでどこかから見ていたかのようなタイミングで―――





『アキとけんかしちゃったの』





『お家に帰らなくていいの?』





『いい!おにいちゃんといっしょにあそびたい!』





その言葉を聞いた『お兄ちゃん』は、嬉しそうに頬を緩ませた。





『そっか。じゃあオレのウチにおいで』





『うん!』