そして、その『お兄ちゃん』こそが私の初恋の人、“涼くん”だ。
歪んだ心に接するときに、一番気をつけなくてはならない点はどこか。
それは、『愛』だ。
私も秋も例に漏れず、『愛』なんていう脆くて儚い夢のようなものに飢えていた。
だから、無償の『愛』を向けてくれる『お兄ちゃん』を好きになるのに大した時間は必要なかった。
秋はなぜだかずっと拒絶していたけれど。
今思うと秋は、普通よりも悪意に敏感になっていたのかもしれない。
一番傍で悪意を感じていたのは、他でもなく秋のなのだから。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…