そして、苦しむ妹を見て必死になる秋を見るのもまた、あの人を楽しませる要因だった。 叩かれて床に倒れこむ私の前に立ち、守ろうとする秋を見たときのあの人の笑顔はこの世のものとは思えない程、 醜悪だった。 その頃からだろうか、秋がおかしくなりだしたのは。 でも、私はそんなことには気付かなかった。 自分を守ってくれる存在がいる。 そんな事実に甘えて、逃げ続けていたから……―――