「あ、夏海ちゃん!来てくれたんだ♪」



王子が人懐っこそうな笑顔で言う。



でも、昨日の事を思い出すと、その笑顔も裏があるものだと思ってしまう。



「あの・・・話って?」



なんだか、怖くなってきたので、早めに終わらせようと話を切り出した。



「夏海ちゃんってさあ・・・結構カワイイよね~。」



はぁ!?王子が凡人にカワイイとか言うなんて、嫌味にしか聞こえないよっ!



「何!?急に!?」



でも、あんなイケメンにそんなこと言われたら照れない女子なんてこの世にはいないでしょ?



「赤くなって・・・犯してもいいのか?」



ギューって抱きしめられた。



「ちょっと!話して・・!!」



私がそう言ったと同時に口をふさがれる。



唇を割って、舌が入ってくる。



渡辺君の舌が私のそれを絡ませて離さない。



「・・・ん。あ・・・んぅ・・・。」



体に力が入らない。



甘くて激しい初めてのキスで、自分の足で立っていられなくなった。足が崩れる。






パシャ






カメラのシャッター音みたいなのが聞こえて、渡辺君を見上げると、携帯で写真を撮っていた。



「夏海ちゃんのエロい写真ゲット♪」



最低!!イケメンのくせに!変態!ドS!エロ!



「昨日・・・俺が喧嘩してんの、見たよな?」



なんか、王子の顔が黒い。



「だまっててくれる・・・よな?」



携帯の画面を私に見えるようにひらひらと揺らす。



王子のくせになかなか黒い笑いだった。









私、これからどうなっちゃうの・・・?