援交はずいぶん歳とった、今にも加齢臭が鼻をつく感じの人のイメージがあった。



だからサイトで20代の人を探した。



私は何人かの人とメールをして、一番都合のいい人と会う事にした。



ー夜中ー



そっと家を抜け出して待ち合わせ場所へと向う。



すると、



一台の車が待ち合わせ場所の公園に入ってきた。



大きくて、低い車。



左ハンドルだ。



なんか、ヤンキーが乗ってそうな感じの車。


《まさかこの車の人ぢゃないよね?》



無視してたら私の隣に車が止まり、



窓が開いた。



「乗りな。」



《やっぱり、この人か…。》



私は初めて外車に乗った。



《うわ~。なんかセレブみたい。》



なんて、ワクワクしていた。



これから自分が援交するのを忘れたかのように…。



ホテルに着いた。



初めてだ。



ラブホなんて。



駐車場で龍が心配そうに聞いてきた。



「本当にいいの?」



私に迷いはなかった。


ここまで来たんだから…。



「うん。」



そう私が答えると、私達は部屋へ向かった。


真っ暗な部屋にベッドが一つ。



私がソファーに座ってると、



先にベッドにいる龍が、



「おいでよ。」



と手招きしてきた。



言われるがまま、



私は龍の隣へとベッドの上に寝ころんだ。



龍の顔が私の上にきたかと思った瞬間、



二人の唇が重なった。


何度も。



何度も。



次第に龍の唇が下へといく。



ゆっくり。



ゆっくり。



私達は一つになった。


龍はスラッとした背に筋肉質で、なんか変だけど、



心地いいと思った。



帰りの車。



「ほら、」



そう言って龍がお金をくれた。



万札が2枚。



「もう、こんな事2度とやるなよ。」



そう言った龍の目はどこか悲しげだった…。


「うん。」



そう言って龍と約束した。



《もうやらないよ。》



今だから言える…。



龍、ごめんね。



一人の人を…。



龍を傷つけてた事なんて思ってなかった。



変な話。



あんな出逢い方だったけど、龍に会えて少し救われたよ。



ありがとう。