【健の指導教諭記録】
放課後。社会科準備室にて、あの熱血体育会系・渡辺の指導案検討。
こいつ、体育会系社会科教員になりたいらしい。
2年の日本史の授業を受け持つので、俺と直接の関わりはほとんどない。
だが、これも仕事なので突っ込んでやることにしよう。
決して私怨によるものではない。
「渡辺先生、ここの評価項目について、ちょっと工夫してみるといいですよ。
最近の流れでは、指導と評価の一体化を目指すようになっていますから・・・・・・」
うん、良くなった。
渡辺もあさって、頑張れよ。
もう一人、倫理の実習生の指導案検討も終わり、ようやく職員室へ戻る。
どうやら、菫はまだ指導案検討中、か?
ん? 竹森先生も深瀬先生もいる、ということは、国語科の検討は終わってるよな?
どうしたのか気になっていたが。
「松本先生、ちょっといいですか?
校長先生がお呼びです」
教頭先生がわざわざ呼びにきた、ということは。
職員室では話せない、管理職からのお呼び出しだ。
真っ先に頭に浮かんだのは、木内のことだった。
まさか、俺をすっ飛ばして管理職へ連絡したのか!?