早く見てみたい、気になる。
その思いが、足を速く動かす。
でも、私は決して走らない。
あくまで、平静を演じる。
みんなの目がいつも向けられている『恐怖』の視線とは違ったため、まさか変な仕上がりにでもなっているのかと不安に思った時だった。
「ちょっと待って胡桃ちゃん!?」
トイレに着く直前、誰かに呼びとめられた。
「それまさかあずさ!?」
「……そうだけど……」
「クレンジング持ってくるからそこのトイレ入って待ってて!」
……クレンジング?
まさか……もしかして今の私、めちゃくちゃ変なの!?
……でも、あまりにも変だったら私ってことすら分からないはず……まさか面影を残したままおかしくなってる!?
急いでトイレに入ろうとしたら、さっきの子と入れ違いで生徒にムダに人気なイケメン先生に呼びとめられた。