なぜなら優作は間違いなくハリウッドで活躍できたからだ。

今でも本当に優作のハリウッド映画を見てみたいと思う・・・

家には優作の映画はもちろんドラマもビデオで持っていた。

特に探偵物語はテープが擦り切れるんじゃないかというぐらい何度も見た。

実はケアンズに探偵物語の音声だけテープに録って持ってきていたのだ。

なにかあった時の為に、いつでも優作の声が聴けるようにテープを作ったと言うわけだ。

優作の声だけでもパワーを貰えるはずだし、

映像がなくても目をつぶって聴けば映像が甦るはずだ。

優作の作品は毎回見る度、新しい発見があり奥が深い。

そしてインパクトでまず、人を惹きつけておいて、そこから人を放さない。


「インパクトがあって奥が深い」


俺が好きなものは全て「インパクトがあって奥が深い」のだ。

好きなミュージシャンもそうだ。


ドリーム・シアター、ジノ・ヴァネリ、ビョーク etc...


これらすべては「インパクトがあって奥が深い」のだ。

自分の好みが知らず知らずに優作からの影響しているとは最近まで気が付かなかった。


「優作好きなんですか?」


ノリさんも優作が好きということで話が盛り上がった。

そして家には優作だけではなく、ショーケンのビデオがあるという。


「ほんとですか!テレビなんてずいぶん見てないな・・・」


その直後、この間みのもんたを見たと思い出したが黙っていた。


「今度見にきなよ」


「ぜひ!」


すると突然ノリさんが


「あっ!俺達ビール獲ったよ。俺獲ってくるわ。」


俺は結果発表などそっちのけでノリさんと話に夢中になってしまい、
自分たちがチャンピオンになったことを全く気が付かず突然の事にあ然としていた。

ノリさんはジョノからビールを1カートン受け取り、両手で抱えて帰ってきた。


「ビールみんなでシェアしようか!」


と言ってみんなに均等に5本ずつくれた。


「これから毎週出るけど練習も来れる?」


「だいじょうぶですよ!」


「じゃ日曜日ねっ」


1才になる子供がいるノリさんは用を済ますと、とっとと帰っていった。