これだ。恥ずかしくて、でもなんて言ったら良いのかわからなくって、あたしはふくれてしまう。子供じゃないのに……。わかっているのに。ガナッシュが冷たくした後で優しくなんてするからだ。

 グリフにしたってね、お姫様抱っこなんて……んもう! 意識のあるときにしてって……そんな場合じゃない。外は真っ暗。なのに不思議な光に包まれて、仲間達の顔が見える。どういうこと?

 ありえない。

「何……これ」

 金竜さんて凄いなーっと、思いながらそうっと、でもぎくしゃくしながら仲間を顧みる。

 ガナッシュはそっぽ向いたきりだし、グリフはあの顔でにこり、にこりとやっており、なんだかいつになく凄い勢いで抱きついてくるドロップス。お、おちるうー!

 と、言ったところで気が付いた。……なんて星空に囲まれてるんだろう。空の星は空に空いた穴だ、なんて言ってた人の話を思い出してしまった。