あたしは一人でいきまいて、頭のてっぺんから抜けるような声で言い放つ。

「ディノーディアさん! さ、さっきはわがまま言ってすみません。ご同道……」

 だよね? 言葉間違ってないよね?

「……いただくにあたって、お願いがございます!」

「願い? よいぞ、竜は万能であるからにして」

 ディノーディアさん、グンと胸をはる。グリフは幼女の意向に沿って、ひょいと肩から彼女を下ろす。

「サインくださいっ! なんなら顔でも服にでも良いんで!」

『サイン下さい』これがミーハーなワケでも公私混同でもなんでもないのだ。逆にこれは

「こちらで御依頼承ります」および「あたし達に物品を預け、場合によっては命の保証はいりません」



の契約書なのだ。怖いでしょ-? あたしは怖い!