「ううん、そうじゃないの。そのときは、ドロップスがあたしをいらなくなるの」

 成長したら、もっとよくわかるように話してあげよう。もちろんその頃には言わなくても自分でわかるようになってるだろうか。

「アップルはあ、いらなくなんてならないろう。ずっとずっと、いっしょなんなろう?」

 今はこんな事を言ってくれる彼女だが、一人前になったら、いつか生まれた場所に帰って行くのだろう。たとえ原始の森にゆりかごがなくったって、彼女は充分、大きくなってるはずだから。

「…………ありがとう、ドロップス」

 しまった。目を開けっ放しで充血してるっぽい。思わず泣いてしまった。意識がもうろうとして……ドロップスもねむねむの目をしている。子どものつきあいしてると最後、どんな結末にたどり着くか、わかったものじゃない。