みんな、勝手に彼を好きになって集まってくるのだ。なにか特殊なフェロモンとか出てるのかしら。

 あたしから見るとやっとティラミスさんと婚約にまでこぎ着けて、ほえほえしているだけなのに。

 うーん、ちょっと信じられない。ふるさとへ帰ったら、さっそく挙式! なーんて、余裕がそうさせてるのかもしれないけれど。この人の人望には驚かされる。

 まあね、女の子達、二人とも同時に振られちゃって、ショックを受けてる姿はちょっと気の毒だったけど。

 ティラミスさんて人は、どんなにきれいでも、どんなに親しく会話してても、所詮は高嶺の花だと思っていた、とグリフは語る。

 そんなひとなんだから、結婚の約束を交わした今の彼には他の娘なんて目に入らない。当然だ。