そんなことを言われて、あたしはああ、小さくなっちゃ駄目だなって思った。

 彼の、いや仲間達の為にも。

 足手まといになっちゃあ、駄目なんだ。
 
 いつでも彼らのそばにいるためには強くならなくちゃ、いけない。

 これは内緒だが、ふがいなくもその夜、ちょっと(ほんとはちょっとじゃないけど)泣いてしまった。

 後からあとから涙が出て、故郷を離れて以来、ずっとたまっていた物が一気に吹き出したかのように止まらなかった。

 女の子って、怖いなあ。

 あんな傷、いくら彼をとられたくないからって ナイフ振り回して……あんな傷跡の残るような怪我、他ならぬ想い人に負わせちゃうんだものなあ。

 そうやって奪い合いしかできない娘には、絶対グリフはなびかない。

 断言できる。

 だって血とか、傷とか、だいっきらいなんだもの、戦士なのに。

 争いの元となったなんて言ってもね、彼だって、二人の女の子に言い寄るほど暇じゃない。


もう、立派に働いてるんだ。


ま、まあ、あたしたち貧乏人達のために、だけどさ……