それだけに意外な繊細さの持ち主。

 戦うときはすごく頼りになるのに。

 いくら弱っていてもひとに弱みを見せる人じゃあ、ない。

 だからこそ、こんなときはああ、信頼されてれるなあって、ますます頑張らなきゃ、て思う。

 傷の大きさなんかじゃないんだ。

 だからかな。そんな彼にこんな事、言いたくないんだけど……

「あー、ごめん。薬草ちょっと切らせちゃってて、全然ないってわけじゃないんだけど、今探してくるから……ちょっと待ってて?」

「いや、この辺では無理だろう。……良いんだ。それより一人で包帯巻きづらくて」

「まって、あたしがやるわ」

 バックに付いてる小物ポーチを開ける。

 確か非常用のキットを入れていたはず。
 
 果たして、新品の包帯がいくつも出てきた。やった!