格好は……格闘家? 靴は平べったいのを素で履いてた。 

 ドラゴアのマント、ううん……ちょっと見たこと無いな。レアなんだろう。本人言ってたとおりとして、ドラゴンの火炎放射に耐えるなんて凄い耐熱強度だ。

「ちょっと焦げてたな、髪」

「うん……大丈夫だったかなあ」

 ガナッシュが言って、あたしが頷いた時だった。


 がらん、どさ。


 重い物が地面に落ちて、硬質の物が投げ出された音がする。

「ちょっと、グリフ、大丈夫?」

 と、のぞいてみれば両方の手のひらに血が。今ので縫った傷が開いてしまったんだ!

「いや、手が滑っただけだ。べたべたして……何とかしたいんだけど」

 なんでかすまなさそうに言う彼は、日頃から何でもこなす。

 料理だって狩りだって上手だし、仲間のことをよく気遣ってくれるパーフェクトボーイなのだ。