「友達がぶっ倒れてんのに、何笑っとんねん」

「ごめんごめん。放課後、お見舞いに行くからさ」


あたしが怒ったら、富美江はまだ少し笑いの余韻を残しながらそう言った。


「うん…。ありがと」


そうしてあたしは、授業のノートのコピーとラブレターの処理を頼んで電話を切った。


そういえば、高校入ってぶっ倒れたのなんて、富美江にサッカー部の見学に付き合わされてシュートが顔面に当たったという、漫画によくありがちな展開の時くらいやなあ…。

なんて、どうでもいいようなことを思い出しながら、あたしはいつの間にか眠りについていた。