「あぁ~、もうっ!一生の不覚っ!!」

あたしが頭を抱えて机に突っ伏していると、例のムカつく声が聞こえてきた。

「優霧ちゃ~ん、約束覚えてるよなあ~?」

声の主の方を見ると、にひっと満面の笑みをこちらに向ける頼道がいた。

……ムカつく

「ムカつく」

おっと、また心が口から出てきてしもた。

まあええ。ほんまのことやしな。

「負け犬の遠吠えですか~?まあ、吠えてないけど」

カッカッカ!

どっかの悪代官みたいに、頼道は腰に手をあて、上を向いて大きい声でそう笑ってみせた。

……どこまでムカつく性格しとんねんっ!!!

こんなやつに負けたんかと思うと、ますます悔しすぎるやないかっ!!!