「彩香だって・・・」

「え?」

「不安じゃないの?あんなに仲よさそうな二人を見て」


あたしはとっさに声が出なかった。


・・・菜美、違うの。いずみちゃんはね、陽斗の妹なんだ。

だから菜美の思ってることとは違うの。



そういえばよかったのかもしれない。


でも言えなかった。

秘密を守るのは陽斗との約束だから。



でもそれは口実。

あたしは、いずみちゃんの気持ちを、やっぱり疑ってたから。

ホントは、あたしが一番不安だったから。



兄妹なのに・・・、兄妹なのに・・・。

そんなことを想像してる自分が死ぬほどイヤなのに。