本当の恋をした。

こだまのように、その思いが体中に響きわたった。



好きだったよ、陽斗。

本当に本当に、大切で、大好きだったよ。


気づけなかった、本当の思い。

本当の恋。



今もこんなにまぶしいなんて―――。



いずみちゃんはベソベソとかっこ悪く泣いているあたしの手をとった。

頬に涙の跡を一筋残して。


初めて陽斗をお兄ちゃんと呼んだいずみちゃんの気持ち。

彼女の中でも何かが確かに変わっている。


そう思うと何だかますます泣けてきた。



遠慮がちにウエイトレスさんがカップを下げるまで、あたしたちはそのまま動けなかった。