あたしは走りながら自分の気持ちと葛藤していた。


はぁっはぁっ…

一人になると考えちゃう。
やっぱかっこいいよ…
モテるのも分かる。



でも…でもあたしは『スキ』がどんな気持ちか
わかんないよ…。あの頃から…。


もう…美耶ちゃんが余計なこと言うからじゃーんっ。


ほっぺをプッ、と膨らませて歩きだした。

…そのとき



「おー…っと、瀬乃…だっけ?」





「せっ、先生?!あっ…はいっ瀬乃ですっっ」


プッ


「おまっ…瀬乃いいキャラしてんなっ」


先生は笑った。
あたしの大スキな笑顔で。