「そりゃなあ、俺の最初の授業から遅刻したやつ、なんだぞお前わーっ」



あ…そっかあ。
あたし遅刻したもんね。




「すいませんでしたっっ!次からは絶対しないでーす。」


そんなものだよね。
憧れ憧れ。


なんか…やだな。

「じゃあ…さよなら」




あたしは走りだした。


「瀬乃っ!」




くるっと振り向いた。
「はい?」



「瀬乃 紗帆。だろ?
ちゃんと覚えてるよ。
気をつけて帰れよ」



「は…いっ!先生も気をつけてくださーいねっ」




そう言って駆け出した。