実を言うと、今のお母さんは本物のお母さんじゃない。


あたしは捨てられた。

すべての事の発端はあたしだから、捨てられても文句はなかった。



仲の良い家族だった。

お母さんもお父さんも優しくて。


こんなに幸せな家族はいない、そう自分で思うほどに毎日が楽しかった。




それが崩れたのは、小学3年生のとき。

その日は、授業の途中で具合が悪くなってて。


両親は仕事だから、と先生に送ってもらって帰った。


とにかく体調がよくなるまで、部屋で寝ていようと思った。

自分の部屋に行く前、両親の寝室が開いてることに気が付いた。

閉めようと思ってドアノブに手が触れたとき、部屋からお母さんの声がした。




部屋を覗くと、



・・・お母さんは知らない男の人と一緒だった。