次に目覚めるときには、もう空は暗くなっていて。

桜は椅子に座ったまま寝ていた。


目には泣いた痕があった。



桜は、唯一あたしの家のことを知ってる人。

正確には、『知ってしまった人』。


たまたま、あたしがお母さんに殴られるところを見られた。

それから、その理由をしつこく聞いてくるようになった。


始めのうちは、適当にあしらっていたけど。

桜はあまりにしつこかった。

そして決まってこう言ってた。



『誰かに打ち明けないと自分は救われない』


あたしはその言葉と、桜のしつこさにおされて。

つい事情を話してしまった。