桂木君と授業をサボった後、私は教室の扉を恐る恐る開いた。

先生が待ち構えていて、怒られるんじゃないかと、ビクビクしながら。

でも、私を迎えたのは、一斉に振り向いた同級生達の視線だった。

え? 何?

「ちょっと、紬!」

すぐに明日香が走って来て、その後ろから女子のほとんどが私に向かって歩いて来た。

「明日香、どうしたの?」

「どうしたの、じゃないわよ。アンタ、桂木君に拉致られたんだって? 大丈夫なの? 何かされなかった?」

明日香が矢継ぎ早に質問して来た。そうか…私が桂木君に連れて行かれたのは、みんな知ってるんだ…