ああ、パーシーを連れて帰りたい。何とか一軒家に引っ越せないかな…

そう一瞬思ったけど、毎日疲れた様子で帰宅するお母さんの事を思うと、とてもそんな我が儘は言えないと思った。

「パーシー、飼ってあげられなくてごめんね? ご飯をいっぱい食べて、元気に育ってね? 私はパーシーの事は一生忘れないからね」

私は鼻の奥がツーンとして、今にも泣きそうだった。

いつまでもそうしてると本当に泣きそうなので、パーシーから桂木君に視線を移し、「パーシーの事、よろしくお願いします」と言った。

「おお、それはもちろんだけど、何で泣きそうになってんの?」

「だって…、これでもうパーシーに会えないと思うと、悲しくて…」