「俺、こっちなんだけど?」

桂木君は、右側の商店街を指差して言った。

「私はあっちのバス停なの」

私は正面を指差した。

「じゃあ、ここで…」

と言って桂木君は、かっこよく手を挙げた。

「今日はありがとうございました」

私はお礼を言ってペコッとお辞儀をした。

桂木君は「おお」と言って、すぐに背中を向けて歩きだした。

その背中を呆然と見つめていた私は、不意にパーシーの事を思い出した。

「ちょっと待ってください」

私が桂木君の元へ駆け寄ると、「ん?」という感じで桂木君は振り向いた。

「最後に、パーシーを見せてください」

「ああ。いいよ」