私が目で桂木君に尋ねると、「うちで飼う事になったよ」と、期待通りの返事が来た。

「大丈夫なんですか?」

「平気だよ。5匹飼うのも6匹飼うのも一緒だから」

「でも、トイレ掃除を一ヶ月とか…」

確か電話でそう話していたはず。

「ああ、それが条件。あ、トイレと言っても猫のだけどな。臭いんだよなあ、これが」

「ごめんなさい…」

イケメンの桂木君に猫のとは言え、トイレ掃除をさせるなんて、何だか申し訳ないと思った。

「いいって。前回やって、慣れてるから」

「前にも猫を拾ったんですか?」

「まあね」

桂木君って、動物にも優しいんだな…

あれ? 私いま『動物に《も》』って、心で言ったよね?