桂木君は包帯の先の方に縦にハサミを入れ、それでグルリと私の手に回してキュッと縛った。

へえ…、桂木君って、結構器用なんだなあ。

「ちょっと不格好だけど、勘弁な?」

「ううん、そんな事ないよ。どうもありがとう」

桂木君が巻いてくれた包帯は、緩くもなくキツすぎもせず、しっかりと巻かれていた。

桂木君は消毒液なんかを薬品棚に仕舞いに行き、私は桂木君のバッグの中で、小刻みに震える子猫を見つめた。

あ。子猫をどうしよう?
あのダンボール箱に戻すしかないのかな…